海洋深層水とは

海の富、海の底力、室戸の海洋深層水

 水深200mよりも深くにある海水。それが海洋深層水です。代表的なものとしては、北大西洋のグリーンランド沖から深層に潜りこみ、およそ2000年の歳月をかけて世界の海をめぐる流れが知られています。

 海の深くにあるということは、太陽の光が届かないということ。光が届かないから植物プランクトンが光合成できない。光合成しないということは、その栄養源である各種ミネラル(生物に有益な微量元素)が摂取されないまま、膨大に残されているということです。

湧き上がってくる恵み

室戸海洋深層水はグリーンランド沖からのものとは別の流れで、アラスカ近くのオホーツク海から深層に潜りこんだもの。北大西洋の水深1000mほどの深い海をゆっくり循環していると考えられています。

 この悠久の流れが日本列島四国東南端の室戸岬付近に達したところで取水される。そのような深い海の水が、なぜ室戸沖で汲み上げられるか。その成因は地形にあります。

 室戸岬は地球の素顔がリアルにわかる「世界ジオパーク」に四国ではじめて認定された地。海と陸が激しく出会い、新たな大地を生むという劇的な現象をつぶさに見ることのできる地です。地形の特徴のひとつとして、室戸岬東方の海中に急角度の崖がそそり立っており、その崖を伝うように「海の底力」は迫りあがってくる。「湧昇流」です。1000mの深海がこの流れによって湧きあがるのです。

室戸の海

広い分野での可能性を

 平成元(1989)年、室戸市にわが国初の本格的な海洋深層水の研究施設が開設されました。世界では3施設目の陸上型取水地の完成です。こうして室戸の「海の底力」は日本だけでなく、世界の海洋深層水の重要拠点として研究開発の最前線を歩んできました。

 各種ミネラルに富んでいることに加え、深海ゆえの清浄性、年間通じて低温で安定していること、などに加えまだ解明されていない特性も多く、飲料や農産物、海産物をはじめ医療など各分野でのかぎりない可能性が期待されています。

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